猫バス北海道漫遊 三日目 小樽〜函館〜洞爺湖

小樽オスパの朝。
6時に起きて ひと風呂浴びて 気がつくと 仲間たちも出発の支度をしていた。

誰からともなくオスパを出て、荷造りをはじめる。

まずは3人で 近くの燐友朝市に出かける。

贅沢に海鮮丼で 初日の朝食をとる。

朝から1500〜2000円の朝食というのも いささか予算オーバーだが 宿泊費が浮いているし 年に一度の北海道の朝。少しくらいは いいかな・・・と各自 自分を納得させて出かけてゆく。

言い訳をしたものの みんな 本当は食い意地が張っているだけなのだが(笑)
燐友朝市は朝4時からやっていて 食堂も同じ時間から空いている。

旅の初日から エンゲル係数と カロリー摂取量がうなぎのぼりなのだが まあいいか。

久しぶりに美味いもんを食べた気がする。

生モノばかりで 料理とはいえないものばかりだが 素材の良さと新鮮さは 技術を凌駕するという 見本のようなものだ。

生サンマ丼は 法悦の時を与えてくれた。
いや なに 難しいことをいっているが 美味しすぎて その味を表現できないだけなのだが。
まんぷく まんぷく 余は満足じゃ。

ここから3人は別れ別れ。

スポーツスターのピッコロさんは 北へ
ブリキ屋さんは 東へ
そして私は 南へ

昨日の夜 やっと決まった行き先は 城下町松前。

明日バイクパレードで鎧をかぶって 武者行列に参加できるイベントがあるという。

今年のツーリングの記念になりそうだ。

二人とも元気でね。
無事だったら また会いましょう。
小樽から積丹半島を通り岩内へ そこからニセコを通り 羊蹄山を眺めるR5号線へ

ニセコの道の駅で クルマから出てきた ワンちゃんに出会う。

しゃがんで顔を近づけて ご挨拶すると そーっと鼻を舐めてくれた。

おはようさん。

サンマ臭いおじさんですが 悪いやつじゃないです。
いいお天気ですね!
いつ見ても気持ちの良い羊蹄山を横に眺めながら 海辺の町長万部まで来てしまった。

一昨年 大江山童さんと出会った 大きな長万部市場には寄らず 少し先のかに市場に寄り道する。
ここで「いかすみソフトクリーム」を食べる。
味は別段生臭くもなく 普通に美味しい。

写真を撮っている間に 溶けてしまった。
今日は北海道に似合わず とても暑い日だ。

でも湿度が低くてしのぎやすい。
やっぱり北海道に来てよかった。
長万部〜森と走って ここからR5を離れ 噴火湾沿いのR278に入る。
海沿いを走り出すと ぽつぽつと雨粒が迎えに来た。ジャケットをメッシュのものから 透浸素材のものに替える。

南に下るほど 雨は強くなり 恵山岬の先端 椴法華村に着く頃 本降りになった。

岬に向かう行き止まりの道の 最後のガソリンスタンドで 水無海浜温泉の 入浴可能時間を聞くと、ちょうど今が 最適な入浴可能時間だという答え。

急いで浜辺の風呂まで駆けつけると 先客が沢山おられた。
湯船は干潮でお湯は少ないけれど ほんのり湯気が立って いい感じだ。

やっと来た やっと来られた。
この温泉は 海辺の磯際にあり 満潮の時は水没してしまい湯船に入れず 反対に干潮だと熱過ぎて入れないなど 入浴可能条件が難しく 毎日入れる時間が変わり また入れる時間も短いなど 幻の温泉ともいわれるほど 旅人にとっては運に左右される温泉なのだ。

一応 椴法華村では 入浴可能時間の毎日のプログラムをアナウンスしているので 地元の人は入れないこともないのだが 通りすがりの旅人には 高嶺の花なのだ。

私は去年 一昨年と チャレンジしたが いずれも満潮で入ることができずに 今年が再々チャレンジなのだ。

いつの間にか 雨も止み 待望の温泉に浸かることができる。

しかし 温泉に浸かっている人達は いずれも水着着用で 裸で入っている人がいない。

地元のおじいちゃんが居られたので 理由をお聞きしてみると 最近盗撮マニアがこの温泉の入浴者を狙っていて 裸で入ることができないという。

どうしようかと悩んだが  おじいちゃんの奨めで いまはいているパンツのままで 入ることにした。
他の人も同様にして入浴していた。(パンツは新しいものに着替えてから入りましたよ)

念願の温泉に入ったので ご機嫌だ。
おじいちゃん 親切にありがとう。

風呂に入った後は 函館に行った。
来るたびに函館駅は変化している。

最初に来たのは まだ青函連絡船があった頃。

道は舗装され 連絡線は来なくなり ボロボロの駅舎はなんどか建て替えられ きれいになりすぎた。

汚いライダーには眩しすぎて近寄ることもできない。

まだ半分くらいは昔の風情が残っている 函館朝市に寄る。
朝市の大屋根はまだ健在だったが その周りは随分変わり果てた。

細くて魚臭い路地はきれいになり いろんな施設や店舗がひしめきあっていた。

ある店に立ち寄る。
イカの釣堀。釣ってその場で調理して食べさせる。

どうかなあ
イカが怖がって 真っ黒に変色している。

部屋を暗くして静かにしてやれば イカの色も透明に戻るのに。 
こちらはまいどまいどの回転寿司。
今日は回っているやつはお休みにして 活きイカ定食にした。

こっちは透明のやつが出てきて ちょっと安心。
でも日本人って 世界で一番貪欲で残酷なのかも。
私もその一人

貪欲一億一千万分の一号 ですが、私。
朝市のお土産物やで いかすみソフトクリームの再チャレンジ。

いかすみ倍入りという触れ込みだったので 頼んでみると 通常のいかすみソフトに 怪しげな黒い「粉」を振り掛けているのを発見。
・・・・なんかなぁ。
本物のイカスミの粉といわれてもなぁ。。

ちょっとガッカリ。

前に来た時は(大昔)ちゃんと 真っ黒けのイカスミソフトを目撃したのだが。
あの時 食っとけばよかった。

あの時は まっくろけーが気持ち悪くて 食べられんかったのだが。
我慢して食っとけばよかったわ。

あっ 味は普通。目をつぶって食べたら分らないと思う。

目をつぶって食べたら 多分顔中に黒い粉がまぶされるとは思うが
・・・・・・・・想像するなよ(笑)

昼頃松前町の役場に 明日の武者行列の問い合わせをしてみる。

すると、定員オーバーで 受付を止めているという。
もし来るなら 明日キャンセル待ちの受付をするので 昼に来て欲しいという。

出られるか出られないか分らないものを わざわざ明日まで待って 2日も潰すのはもったいないということで あっさり諦めることにした。

まあ私に情熱が足りないということだが うかうかしていると 本州に渡って自走 東北ツーリングをやりそうな自分が怖かったので 早くここを離れたというのが真相なのだ。

私は待つことと 退屈が何より嫌い。
函館を出て北へ進路をとる。
南が駄目なら北へ行ってみよう。

暑い北海道は嫌い。
今年の北海道はおかしい。

もと来た道を戻るのは退屈なので 途中から右に折れて室蘭方面へ。

室蘭の手前の洞爺湖温泉のライダーハウスへ行くことにした。
ここは豊浦の道の駅で知り合ったライダーからのクチコミで教わった湯治温泉だった。

ライダーハウスというより 湯治場という雰囲気がぷんぷんして なにか良い感じだ。
これは当たりかな?

風呂は天然温泉掛け流しで チェックインからチェックアウトまで 入り放題だ。
寝る場所は 大部屋の畳部屋に雑魚寝だが 布団もあるし 空いていたので快適だった。

1500円なら 安いと思う。

今日は洞爺湖温泉の夏祭りの日だった。
遊覧船の前の広場では 盆踊りが見られた。

浴衣姿の子供たちと おねえさんと 昔のおねえさんと もっと昔のおねえさんと・・・・

夜風が涼しい。

湖面を渡る風が秋を連れて来そうだ。
太鼓の音と 女の子の歓声と石鹸の匂い。

夏と早い秋の入り混じった不思議な時間。
花火が上がった。

湖面すれすれのものから 比較的高く上がるものまで 30分くらいの饗宴。

この地では毎日花火が上がるという。

ここに住んでいる犬は たいへんだろう。
怖がってご飯を食べないのじゃないだろうか?

ちょっと心配。

花火は豪勢で綺麗だった。
さて寝ることにする。
相部屋は 東京のオニィちゃんが一人だけ。

バイクはマジェスティ。

タイヤが走行の安全限度を越えており 心配なので交換したいといっていた。

このまま南下して自走で東京まで帰りたいのだそうだ。
「これからお盆に突入するので どこの店も開いていない可能性が高いよ」というと 困った顔をしていた。
「よし明日タイヤをみてやるよ」というと 彼は少し安心して眠った。
私も寝ることにした。

沢山走ったけど あんまり疲れてないなぁ。

やっぱり大きなバイクの長距離ツーリングは楽だ。

夜は涼しくてよく寝られた。

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